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< 東山植物園・山野草T >




《 キツネノマゴ(狐の孫) 》
 立秋の頃から道端や野に小さな花を付け始め、しばしば群生し、小さいながらも良く目立ち、四角い茎と唇形花でシソ科の花と思ってしまうが、シソ科ではなくキツネノマゴ科の一家をなす。 花の白い斑紋は密票で、ハナバチ等が訪れ花粉を運ぶ。 日本、中国、朝鮮半島に広く分布し、中国の古典にも記載されている薬草で、漢方の生薬名を爵床(しゃくじょう)と言い、関節炎、風邪の解熱剤、古くは目薬としても使われた。 日本に古来からある野の花は大半が薬草で、日本人の生活と深く関わってきたが、キツネノマゴもそのひとつであり、若い葉は ’お浸し’ にして食べられた。







《 ミスミグサ(三角草) 》
 旧世界の熱帯に分布するキク科の多年草。ミスミギク,イガコウゾリナの名もある。アフリカ産のものと東アジア産のものとは亜種として区別されており,東アジア産のものは基本変種である。茎は直立し,高さ20〜80cm,二叉分枝状に分枝する。根出葉はロゼット状で,開花時にもある。茎葉は少なく,上のものほど小さい。花期は4〜12月。花は両性の筒状の4小花からなる頭花である。この頭花が3〜4個,枝の先に密集し,一つの集合体となり,広卵形の3枚の苞に包まれる。







《 タカサブロウ(高三郎) 》
 タカサブロウは世界の暖帯から熱帯に広く分布し、日本では北海道を除く本州以南に生育する一年生草本。田圃や畦、水路壁などに生育しており、いわゆる水田雑草の一つである。







《 ベニバナボロギク(紅花襤褸菊) 》
 ひょろりとした柔らかな草である。原産地はアフリカで、南洋方面に帰化している。日本では第二次大戦後の帰化植物として知られるが、意外に山間部に多く、特に森林が伐採された際などに一斉に出現し、パイオニア植物としての姿を見せている。 花は菊のようにならず、筒状の頭状花序は管状花をそろえて束ねたたような形で、先端だけが赤っぽくなる。







《 ヘクソカズラ(屁糞葛) 》
 別名ヤイトバナ、サオトメバナ。葉の脇から短い集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、白い花を疎らにつける。 名の由来は、草全体がいやなにおいを放つ蔓性の植物というところからきている。 万葉の時代にも「くそかずら」の名で詠まれているが、それに「屁」もついたわけである。 灸花(ヤイトバナ)のほうは、花の中心部の形がお灸の跡に似ているところからきている。







《 クサフジ(草藤)  》
 メキシコを中心として、熱帯アメリカに約37種が分布します。その中でも、日本で多く栽培されているのはメランポデューム・パルドスムの園芸品種です。春にタネをまいて、夏から秋に花を楽しみ、その後枯れる春まき一年草として扱います。夏の高温時期にも元気よく生長して花を咲かせるので、夏花壇をはじめ、寄せ植えや鉢植えなどにも適しています。 草丈は30cm〜40cm、茎は細かく枝分かれしてクッションのようにこんもりと茂ります。花色は黄色で径3cm、初夏〜秋まで長期間咲き続けます。







《 ガガイモ  》
 神代(かみよ)の時代から日本に存在する花として知られている。 古事記には大国主命(おおくにぬしのみこと)と共同して国造りをしたとされる少名彦(すくなひこ)のことを  「天の羅摩(カガミ)の船に乗って来た・・・」  とあり、日本書紀には  「一人の小男がカガミの皮で造った船に乗って・・・」  とある。 羅摩やカガミはガガイモの事であるとされており、果実が舟形をしているのでその鞘にのって小さな神が来たと言う事であろうか、真偽はともかく神話に登場する数少ない植物である。 夏になると他の植物に絡み付いて蔓(つる)を延ばし、オニドコロ、ヘクソカヅラ、クズ等と入り混じって鬱蒼と茂り、葉だけでは余り目立たないが、花が咲くとその独特の姿で人目を引く。







《 センニンソウ(仙人草)  》
 日本、朝鮮半島、中国、台湾などに分布する、毎年花を咲かせるつる性の多年草です。主に草地や林の縁など日当たりの良い場所で、つるを樹木などに絡ませて自生します。花の咲いている時は遠目でもよくわかるのですが、それ以外の時期は草木に紛れていて存外に見つけにくいです。 主に夏の終わりから秋にかけて径2〜3cmの白い花を一斉に咲かせます。樹上に覆い被さるように育つ株は満開時、木に雪がつもったように見えます。花の咲いた枝は先端が枯れて、秋に下の方から新しい枝を出して冬の間もゆっくりしたスピードで生長します。葉っぱは5枚の小葉からなる羽状複葉、革質で厚みがあり、秋に赤茶色に紅葉します。







《 サネカズラ(実葛) 》
 日本の主に関東より西の地方、朝鮮半島南部、台湾、中国に分布する常緑のつる性樹木です。みどころは秋になると真っ赤に熟す果実です。形自体もおもしろく、たくさんの小さな果実がひとかたまりの球状になり、枝からぶら下がるように付きます。 開花期は夏で、花には雄花と雌花があります。雌花は粒々がたくさん集まって球形をなした特徴的な実を付けます。果実は熟すと光沢のある赤色になります。花色は淡いクリーム色でぱっと見は雄花も雌花もそっくりですが、開いた花の真ん中の色を見ると雄花と雌花の区別が簡単に付きます。雌花は中心に淡い緑色の雌しべが小球状に固まって付き、雄花は紅色の雄しべが小球状に固まって付きます。







《 クズ(葛) 》
 北海道〜九州,東アジアの山野に自生するマメ科のつる性多年草。肥大する根があり,茎の基部は木質化する。葉は3出葉で,小葉は菱状卵形,長さ幅とも10〜15cm, マメ科のつる性多年草。アジアの暖・温帯に分布する。山野に普通で,大群落をつくる。全草に粗毛を生じ,葉は3枚の小葉から成る複葉。花は紫紅色で7〜9月頃に多数が総状花序をなして咲く。根は長く肥大し,上質のデンプンをたくわえている。







《 ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)  》
 北アメリカ原産の帰化植物の多年草で、赤紫色の太い茎が直立し、高さ1メートルから2メートルになる大型の植物です。6月から9月に花穂が枝先に垂れ下がって咲きます。果実は球形で熟すると黒色になり、濃赤紫色の液を含みます。根は太くゴボウ状です。本種に似ているヤマゴボウは花が上に向かって咲きますが同じく有毒植物です。